MOMOKO KITANO

夏の風物詩とも言えるかもしれない水鉄砲。
地域の見知らぬ人々に、水鉄砲を撃ってもらったらどんなことが起こるだろう。
この『My COLOR』という企画において、他者に水鉄砲を撃ってもらう際、
水を着色し、私たちはキャンパスになるため真っ白い服を着て構えた。
私は、水鉄砲という遊びを用いて、人々に意図せずアートを楽しんでほしいと考えていた。
私はそこまでアートに触れてきたわけではないが、モノづくりの際の、
予期せぬ出来事というのは結果はどうあれ面白い。
水鉄砲から飛び出した水が白い服に着色される様を、どんなふうに楽しんでくれるのか。
私はそれが楽しみだった。
また見知らぬ人々とのコミュニケーションも大いに楽しめた。
初め私は、このイベントに人々が感心を抱いてくれるかとても不安だった。
最初にお声がけしたのは、友達を待っているというおばあさんだった。
企画についてお話しすると、とてもにこやかに引き受けてくださった。
その次は、人生初水鉄砲体験となった男の子と、そのお母さん。
男の子は私たちに怯えつつ、水鉄砲で着色する楽しみを覚えていき、
最後には、「違う色でやりたい!」と笑顔を見せてくれた。
外国人のカップルは、私の拙い英語にも笑顔で応えてくれ、
関東から観光に訪れていた親子は、思い出の一つとして楽しんでくれた。
当初想像もできなかった笑顔の連鎖に、私はホッとした。
撃つことを楽しんでいる人、着色される様を楽しむ人、
会話を楽しんでくれる人、様々な楽しみ方を見ることができた。
十人十色と言う言葉がまさに、この企画にはぴったりだった。
いつもは一人または少人数で黙々と作業することが多いが、
やはり私には、笑顔で人と接することの方が、生きている実感が沸いてくる。

pagetop